コラム

「骨盤を立てる」って、どういうこと?

ダンスレッスンで、よく使う言葉のひとつに

「骨盤を立ててみて」というものがあります。

 

でも、「骨盤を立てる」と言われても、実際にどうすればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

実は「骨盤を立てる」という言葉は、少し曖昧な言葉なんです。

基本的には、後ろに倒れている骨盤を起こして、ニュートラルに近づける、という意味で使われることが多いと思います。

ただ、そこに至る身体の使い方は、人によって違います。

 

腰が反りやすい人もいれば、身体がグニャッとしやすい人もいます。

だからハウマルヌイでは、全員に同じことをすればいいとは考えていません。

その人の身体を見ながら、

「ここをこうしてみて」
「今より少しこっち」
「この状態と今の状態、どっちが動きやすい?」

そんなふうに、実際に身体を動かしながら伝えていきます。

 

座っていると、骨盤は感じやすい?

「骨盤を立てる」を感じてもらうとき、座った姿勢は意外と分かりやすいんです。

左右の坐骨が床に触れているので、骨盤が後ろに倒れているのか、起きているのかを感じやすいからです。

 

ただ、ここでひとつ大切なことがあります。

坐骨を感じられたから、それで終わりではありません。

座っていると、身体を床に預けられるので、つい「休む姿勢」になってしまうことがあります。

骨盤を起こしただけで、上半身がグッと力を抜いてしまったり、股関節の前で身体を支えてしまったり。

「股関節の前が痛い」
「詰まる感じかする」

そんな声が出ることもあります。

もちろん、痛みや詰まりにはいろいろな原因があるので、一概には言えません。

でも、踊るための身体として考えるなら、

 

坐骨で土台を作ることと、身体を上に引き上げること。

この両方が大切です。
坐骨で支えながら、上半身は上へ伸び続ける。

そのときに大切なのが、呼吸です。
吐くことでお腹周りが内側から支えられてる感覚を感じたり、呼吸を続けながら身体が上へ伸びていく感覚を探してみる。

「お腹に力を入れて固める」のではなく、呼吸をしながら身体の内側の力を感じて、そこから引き上げていく。

 

坐骨で土台をつくり、呼吸で内側から支え、身体を上へ引き上げる。

これも、踊るための身体を作っていく大切な要素です。

座っていても、身体を「休ませる」のではなく、踊るときと同じように身体をつなげていく。

そして立って踊るときには、さらに足裏から引き上がり身体を支えながら、骨盤や上半身を安定させて動いていく必要があります。

だから、「骨盤を立てる」という一つの言葉でも、実際に身体を動かしてみると、意外と奥が深いんです。

 

「骨盤を立てる」を、自分の感覚にする

「骨盤を立てる」という言葉を聞いただけで、誰でも同じようにできるわけではありません。

最初は、先生が、

「ここをこうしてみて」
「もう少しこっち」

と外から導くこともあります。
でも、最終的には、

 

「あ、これが自分にとってのこの状態なんだ」

という感覚を、自分自身で見つけていくことが大切です。

先生から言われた形をその場で作るだけではなく、自分の身体がどう変わったのかを感じてみる。

そうすることで、少しずつ自分でも再現できるようになっていきます。

 

ハウマルヌイでは、振付を覚えるだけではなく、姿勢や身体の使い方にも目を向けながらレッスンしています。

「骨盤を立てる」という言葉ひとつからでも、自分の身体をちょっと気にしてみる。

そんなところから、踊り方も少しずつ変わっていくのではないかなと思っています。

 

こうした身体の感覚は、言葉で説明しただけですぐに分かるものではありません。

レッスンでも、一人ひとりの身体を見ながら、言葉を変えたり、実際に動いてもらったりしながら、「どうしたら伝わるのかな?」と考えています。

 

それでも、なかなかピンとこない、感じていない。でも、そのくらい

自分の身体で感じて理解するということは、簡単なことではない

のだと思います。

だからこそ、言われたことをただ覚えるのではなく、

「今、自分の体はどうなっているんだろう?」

と、少しだけ自分の身体に目を向けてみてほしい。

そんな小さな気づきが、踊ることにつながっていけばいいなと思っています。

 

 

 

 

完璧なからだじゃなくても、ダンスは踊れる

「身体の土台がしっかりしてないと、ダンスは踊れない」

そんなふうに思う人もいるかもしれません。
でも、私は必ずしもそうだとは思っていません。

 

私はピラティスインストラクターでもあります。だからこそ、身体のケアや、身体を機能的に動かすことの大切さはよく分かっています。

 

でも、私自身が「ものすごく身体能力が高い人」かというと、そうではありません。

柔軟性が特別高いわけでもない。
体幹がものすごく強いわけでもない。

トレーニングである身体のケアをしていても、
すぐに「もう無理〜」と悲鳴を
あげることだってあります。

 

それでも、このダンスは踊れる。

それは、完璧な身体だからではなく、

自分の身体でどう動けば、このダンス踊れるのかを知ってきたから。

私はそう思っています。

 

もちろん、生まれつきの身体の特徴や、関節の状態、左右差など、自分では選べないものもあります。それは本人のせいではありません。

でも、

「身体に特徴がある」=「ダンスができない」

ではないと思うんです。

 

同じダンスジャンルの中でも、身体の条件は一人ひとり違います。それでも、自分の身体に合わせた動きを身につけて、踊ってる人はたくさんいます。

 

身体の使い方に差が出るのは、生まれもった身体だけではありません。

 

これまでどんな環境で過ごしてきたか。
どんな先生に出会ったか。
自分の身体について考える機会があったか。
そして、身体の変化に気づくきっかけがあったか。

 

そういう経験の積み重ねも、身体の使い方に影響していくと思っています。

だから私は、ダンスをするために「完璧な身体」が必要だとは思っていません。

「身体が硬いから」
「体幹が弱いから」
「身体がうまく使えないから」

それだけで、自分の可能性を決めてほしくない。

ただし、

完璧なからだじゃなくても、ダンスは踊れる。
でも今のからだの使い方がベストとは限らない。

 

姿勢が崩れていたり、身体のバランスがうまく取れていないかったり。

そのことで、本来働いてほしいところがうまく働かず、体幹が安定しないこともあります。

 

だからといって、

「体幹が弱いからダンスができない」

ということではありません。

 

「できないから諦める」でもなく、
「完璧になってから踊る」でもない。

今の自分のからだで踊りながら、必要なところは少しずつ整えていく。

 

そのために、自分のからだを知ること。
実際にからだを動かしてみること。
必要であれば、ピラティスなどで身体の土台をつくっていくこと。

 

そうやって、自分のからだで
「どうすれば、このダンスが踊りやすくなるのか」を知っていく。
私は、そんなふうに考えています。

 

ダンスのレッスンでは、姿勢や骨盤、背骨、肩甲骨、足の使い方など、
身体について伝えることがあります。

でも、私が伝えたいのは、身体に関する言葉を覚えることではありません。

「体幹を使う」
「骨盤を立てる」
「身体を引き上げる」

 

そういった言葉を知っているだけでは、踊りにはつながらない。
身体の知識を覚えることが目的なのではなく、

 

身体の使い方を、踊りに繋げること。

「今の立ち方と、こっちの立ち方では、どっちが脚を動かしやすい?」

そんなふうに、自分の身体の違いに気づいていく、それが、私がダンスの中で大切にしていることです。

そして、ピラティスでは、ダンスとはまた違う角度から、自分の身体と向き合うことができます。

 

身体を知ること。
動かし方を知ること。
自分に合った使い方を見つけていくこと。

 

ダンスとピラティスは目的は違います。
でも私の中では、どちらも

「自分の身体を知る」というところでつながっています。

 

完璧な身体じゃなくていい。

私自身がそうだから。

それでも、このダンスは踊れる。

 

そして、自分の身体を知っていくことで、
より少し動かしやすくなる可能性はある。

私はそんなふうに身体とダンスを考えています。

 

 

 

自分の身体をちょっと気にしてみて

フラやタヒチアンダンスでは、振付や手の形を覚えることも大切です。

でも、それだけじゃなく、
足のポジションや胴体部分の姿勢など、身体全体を意識することも大切です。

 

でも、「身体の仕組みを勉強しましょう!」ということではありません。

踊る時に、
自分の体が今どうなっているのか、ちょっと気にしてみてね。

 

例えばハンドモーション

「手はこんな形」と覚えるだけではなく、

腕全体をどう使って、その形になっているのか。

肘の位置は?
頭と肩は前に出てない?
肩甲骨はどんな位置にある?
腕はどう動いてる?

そして、足はどこにある?
身体の姿勢はどうなってる?

 

ちょっとだけ意識してみる。

 

「先生と同じ形にしよう」だけはなく、自分の身体を見て、感じて、考えてみる。

そんな小さな気づきが、踊りを少しずつ変えてくれます。

 

難しく考えなくて大丈夫。楽しみながら、自分も身体をちょっと気にして踊ってみてね。

 

 

AlohaとManaが宿るHawaiian Lei

ポリネシアン諸島のみならず世界のあちらこちらで、花々や葉を輪にした首飾りを 訪ねてくれた人や去りゆく人の首にかけている映像を目にした事があるでしょう。

オアフ島やハワイ島に凛々しく立つカメハメハ王像には いつも長くて素敵なレイが首が隠れるほどかかっていますし、ワイキキビーチ沿いの広場に立つハワイが誇るサーファー、Duke Kahanamokuの像も何本ものレイをしています。

ハワイの人達はたとえ何かの象徴である像や置物であっても、新鮮な生のレイをかけて敬意や愛情を示しています。

なによりもホノルル空港やパペーテに降り立つと、貝や花でできた歓迎のレイをかけてもらえるではないですか。

レイはハワイだけではなくポリネシアン諸島の人々の生活に組み込まれた大切なアイテムのひとつで、特別な日だけではなく日常的にあげたり、もらったり、供えたりするのです。

そんな花の輪、レイも知れば知るほど奥が深くその作り方(編み方)の違いや使用する針、糸の材質や使う植物の組み合わせにより意味や意図、背景が変わってしまうのでほんの少しの「注意」と「レイの知識」を知ればレイがより短かなものになります。

今回はハワイ諸島に特化したレイの話をまとめてみました。

ハワイアンレイのスタイル

Kui polo lei

レイ専用の針と糸を使って花を同じ方向に向かって繋げていく方法をクイポロレイといいます。

単純な繋げ方なので初めてレイを作る際に適しているもで、レイ制作初心者でも比較的簡単に作れます。

Kui…編む 縫う
Polo…繋げる

Kui poepoe lei

花びらを1枚、1枚螺旋状に繋げるレイで、 とても手の込んだ作り方で難しいのですが、出来上がったレイは本当に美しいものです。

特別な時、特別な人にプレゼントする事が多いです。(記念日や儀式の時など)

小さなオレンジ色の花びらを何千枚も重ねて作られたイリマレイはオアフ島の花、ロイヤルのレイとしても有名です。

イリマレイ

丁寧に贅沢に複数の花々や葉を輪にして編み込んだレイをkui poepoeと呼ぶのです。

poepoe…丸い まん丸の 輪

Wili Lei

花と葉をゴージャスに混ぜて編み込まれたレイです。

Wiliは主に神聖な儀式の時に良く使用され、有名なのが独特の甘い香りがするマイレレイです。

マイレレイはフラを踊る人には必須アイテムのひとつで、モキハナレイと一緒に使用します。

Wili…巻き付ける ねじる

Haku lei

複数の植物を何層にも重ねたボリュームのあるレイです。

WiliとHakuを作る時には専用の針や糸は使わず乾燥させたツル状の植物を使い、手で編み込んで仕上げていくので作るのに大変時間がかかり、その分重厚のあるゴージャスなレイです。

Hakuは頭、冠、大切な場所、尊敬する目上の人を指すので、頭部につけるレイの総称をHaku leiといったり、Lei poと呼んだりしています。

Po…頭 てっぺん

Hili lei

マイレの葉を細く割いてただ三つ編みにするだけのhiliというスタイルのレイで、シダやパンダナスの葉を編んだレイもあります。

主なレイの種類

木の実のレイ…ククイナッツ ミロ モキハナなどを使用

グリーンレイ…植物の葉全般 ティーリーフ マイレなど

ボーンレイ…動物の骨 歯 魚の歯

フェザーレイ…鳥の羽のレイ (現在では愛鳥保護の為稀有)

シェルレイ…白い小さな貝を繋げたレイ ニイハウシェル プアマナシェル

リボンレイとニットレイ…歴史は古くはありませんが、気軽に作れて色とりどりの見た目にも可愛らしいオリジナルレイ。

レイの用途と使用する植物

*結婚式…花嫁は蕾のまま編み込んだピカケレイ(ジャスミン)、花婿は神聖な儀式に必ず使用するマイレレイ。

*フラや大切な儀式には…マイレレイ、ティーリーフレイ(心身を清め、邪気を払うと伝われている)

*入学式・卒業式…パンダナスという植物の葉、Hauという名で始まりと終わりを意味しています。

*船旅・遠くへ行く時(長期間形を保てる)…maunaloaという植物の種類を使用します。

*お土産(乾燥させて色あせしない)…pua kikaと呼ばれる赤い色のシガーフラワーを使用します。

*女性に贈られる事が多いレイ…ohai ali’Iという黄色と赤が美しいレイ、黄色と赤はハワイでは高貴な色です。

レイはハワイアン・タヒチアンのアイデンティティ

ハワイやタヒチを訪れてその島の人々と接すれば、彼らがどんなにレイを大切に想っているかが分かります。

レイには植物の持つMana(spirit)、Aloh(love.Life)が宿り、作り手はいつも贈る人を想い 心を込めて植物の持つManaとAloha を編み込んでいきます。

レイを受け取った人はその想いを無駄にしないようにレイを大切に持ち続け、最後に使えなくなる程傷んできたら海に流したり、木の枝先にかけたりしますが、レイを「自然に帰す」という意味があるのだと考えます。

決してゴミ箱に捨てたりしませんし、したらいけません。

長く培われてきた「レイの文化」は先祖から伝わる作法と作り方を継続しながらも、最近では伝統を受け継いだ人が新しいフラワーアレンジや、クラフトを取り入れてより美しく、より誇らしくレイを作っています。

ハワイ諸島やタヒチ諸島郡の島々では、フェスティバルやダンス競技会などではクラフト展が催され有名なアーティスト達がそれぞれの島の工芸品と一緒にレイを並べていますし、小さなファーマーズマーケットでも綺麗なレイを販売しています。

どの島の人であれ、レイはその島の伝統でありなくてはならない宝物です。

日本でもレイメイキングは盛んで専門家のワークショップもありますし、各フラスタジオでも発表会やステージパフォーマンスの時など自分のレイを手作りしている所も少なくありません。

自分で作ったレイや髪飾りを身につけて踊る…とても贅沢で素敵な事です。

前回ご紹介したタヒチアンの伝統工芸品と共に、さまざまなレイのスタイルを知って今よりもっとハワイやタヒチの文化を身近なものにしてください。

最後に現在活躍中の若きレイメーカー2人の素敵な言葉を紹介します。

*Meleana Estes
~レイを作り、それを贈る事はアロハの究極の表現~

*Kawana
~レイは絶対に終わりのない愛の輪っか~

Rinko

タヒチアンソウル…タヒチの芸術的な伝統工芸品の話し

ポリネシアン諸島のトライアングル地域の中心、通常タヒチ(ソシエテ諸島)と呼ばれる島々は、有人・無人を問わずに数えると800以上の島々が連なっているといわれています。

島々には名前が付いていない小さなものから世界中の人々が憧れる有名な観光地タヒチと呼ばれる大きな島までが点在していますが、良く知られている島は首都パペーテがある「タヒチ島」や、タヒチアンソングでたびたび主題となる島「ボラボラ島」「モーレア島」が有名です。

ハワイやニュージーランド、サモア、フィージーなどのそれぞれの島特有の魅力的なオリジナル手工芸品は沢山あるのですが、今回はタヒチに昔から今に至り代々種族に受け継がれている手工芸品に絞ってお伝えします。

どれもこれも芸術性が高く、ストーリーに満ちていて単なる観光地の「おみやげ品」だけでは収まらない品ばかりで興味がつきず、全部は書ききれませんが割と皆さんが見聞きした事のある工芸品を選びました。

Pareo(色彩豊かなパレオ)

パレオ(サロンとも呼ぶ)とは色とりどりに染色された布で、用途は多種多様でタヒチの各家庭には必ず複数あるばかりか、男女問わずに1人に一枚以上は持っているタヒチアンの生活に密着した必須アイテムのひとつ。

パレオは昔のタヒチアンが腰や体に巻いていた木の皮を叩いて柔らかくして布状にした(タパ)を、タヒチ語で「パレウ」と呼んでいたのが「パレオ」と発音されるようになったと言われています。

一般的な作り方として水で濡らした染色済みの長方形の布(だいたいの寸法は90~110センチ✖️180センチ)の上にタヒチ特有の植物や動物の型紙を乗せて、強い陽射しの下で乾かしたら型紙を外せば出来上がりというシンプルな工程で仕上がります。

もう一段上の作り方は直接染料で布に手書きする方法で、これはある程度の技術が必要なのと製作に時間がかかり、デザインモチーフも凝っているのでので販売価格は高価です。

他に版画のように模様を1枚、1枚刷り込む方法もありますし、工場で機械的にプリントされるお手頃価格のパレオもあります。

用途は幅広くタヒチアンダンスの衣装や、レッスン着、壁掛けやベッドカバー等々人それぞれの使い方があり、ワンピースドレスのように体に巻き付けるスタイルパターンは複数あるので地元の女の子や観光客にも人気があり、リゾートホテルのディナショーの合間にはパレオの巻き方をレクチャーしてくれるシーンもありゲスト達に喜ばれています。

柄のモチーフになるのは、タヒチ特有の葉っぱ、花、木などの植物や、海の中の生き物を使い目にも鮮やかな色彩に圧倒されます。


型取り製法のパレオ

Natira’a(ナテイラア 手編み)

タヒチアンダンサーが手編みの帽子をかぶって華やかに踊っているのを見た事がありますか?
どの島でも手編みの作品は作られていますが、オーストラル諸島の中の「ラパ島」「リマタラ島」「ルルツ島」の女性達が作る手編みの帽子やバッグ、ラグ、バスケットなどのクラフトはとても繊細で美しい伝統工芸品として広く知られています。

材料はパンダナスの葉(ペオレ)、葦、若い椰子の葉(ニアウ)、竹(オフェ)などで それを干したり、乾かしたり、裂いたりして作る物に合わせて紐状にして編んでいきます。

葦以外は他の島でも手に入るのですが、葦だけはラパ島にしか生息していないので葦で作られたクラフトはとても貴重で、まるでレース編みのように繊細に編み込んでいける人が少ない事もあり、こちらも販売価値は高価ですが、「世界にたったひとつ」の宝物なので納得です。

この「ラパ島」の葦編みは製作者の先祖代々からの編み方があり、その作り方は門外不出とされているそうですし、ひとつの作品を完成するには崖に登り、葦を摘みに行くところから始まり選別、手洗い、干したり伸ばしたりと編み始めるまでにも長い時間が必要です。

毎年タヒチ島ではクラフト展が開催され観光客のみならず島の人々の楽しみなイベントとして定着していて、タヒチアンダンスの衣装の一部(髪飾り、ネックレス、ブラやベルトなど)にも使われています。


伝統的な手編みのタヒチアンハット

Tifaifai(ティファイファイ タヒチアンキルト)

日本でもファンが多く馴染みのあるハワイアンキルトの基本になっていると言われるのがタヒチアンキルト「ティファイファイ」で、ハワイアンキルトがチクチク針をひと針づつ刺していくのと異なり、タヒチアンキルトはアップリケとパッチワークです。

ティファイファイには、アップリケを貼った「ティファイファイ.パオティ」とパッチワーク仕様のティファイファイ.プー」の2種類があり、どちらも鮮やかで色彩豊かな仕上がりが特徴で、ベッドカバー、クッションカバー、壁掛け、赤ちゃんの肌がけなど多種多様です。

モチーフデザインはタヒチアンの生活の中にある馴染みの深い植物類が多く、ハワイアンキルトよりは大きめの柄を使用して、ザックリと大胆に作られています。

ティファイファイとはタヒチ語で「縫い合わせる」という意味がありますので、結婚祝いにプレゼントしたりパレオ同様タヒチの人達にとって用途の多い大切な伝統工芸のひとつです。


色鮮やかなタヒチアンキルト

Palau & Pupu(パラウとププ 黒蝶貝と小さな貝)

パラウと呼ばれている黒蝶貝はタヒチアンジュエリーの代表的な貝細工アクセサリーのひとつで、ネックレスやペンダント、ブレスレットなどの装飾品の他にタヒチアンダンスのコスチュームにも使われていたり、黒蝶貝で装飾された家具類もあります。

他のタヒチアン手工芸品と並び、黒蝶貝で作られた作品にはその技巧の繊細さ、完成品の美しさにじっと見入ってしまう魅力があるのです。

アート作品としての黒蝶貝を使った装飾品は昔ながらの工芸品職人が魂を込めてひとつ、ひとつ掘り上げるので、資産価値も充分にあります。

Poe Rava(ポエラブァ タヒチアンパール)

貝細工の工芸品の他にもタヒチには粒の大きな黒く輝くタヒチアンブラックパールが有名ですが、タヒチアンパールは色も姿形も複数あり、それぞれが本当に美しく現在のタヒチでは観光業の次に大きな経済力になっています。

美しいタヒチアンパールは透明度の高い澄んだラグーンでしか質の良い貝が育たない為、ツアモツ諸島やガンビエ諸島での養殖が多いようです。

本物のタヒチアンパールのジュエリーはやはりとても高価で中々手にするチャンスは少ないのですが、観光客用のお手頃値段のフェイクパールも多数あり気兼ねなく身に付けたり、バッグやベルトの飾りにするのも有りだと思います。

今回のまとめ

ざっと駆け足でタヒチが誇る伝統手工芸の数々を紹介しましたが、タヒチには他にも多くの特別なアートがあり、日々それぞれの手工芸を受け継ぐアーティストが生まれ育ち世界中の人々にタヒチアンソウルの魅力を伝えているのです。

タヒチアンダンス、タヒチアンミュージック、タヒチアンタトゥ、タヒチアンの特別な料理…などなど…
次から次へとタヒチアン文化への興味が湧いてきます。

人々の手に届きやすい機械で作る工芸品を決して否定するものではありませんが、いつかは先祖から引き継がれたそれぞれの手工芸品を手に取り「タヒチアンソウル」を感じて下さい。

今後も各方面からタヒチ、ハワイ、ポリネシアン諸島の文化を深堀りしていく予定です。

Rinko

不思議な島ハワイの言葉

ハワイ語を少し調べてみたら…

ハワイ語はアルファベット12文字からなり、特別な発音記号「カハコー」と「オキナ」を含み、ひとつひとつの単語同士が微妙に関わりながら言葉を作っています。

※カハコー…母音の上に付く横棒― 真っ直ぐに発音するという記号
※オキナ…母音の左肩に付くカンマ‘ 詰まったように発音するという記号

英語のアルファベット48文字や、日本語のように使う文字が多くないのでひとつの単語の意味が全てではなく、前後にくる単語によって違う意味になったりするのです。

その上やっかいな事に、ハワイ語はその土地やそれぞれの情景によって同じ名詞の呼び名が変わったり、kaonaと呼ばれる隠された意味があったりとフラソングの詩を訳す作業の時は難しく、その歌詞の真実の内容は曲を作った本人にしか分からないとさえ言われているのです。

全てに意味があるハワイ語

日本でもなじみのある「Aloha」という言葉には<挨拶>や<愛>だけではなく他にも多くの意味があり、調べていくとハワイの人々の道徳的な考えに感心します。

最も代表的な解釈は下に書いた細切れにした単語の頭文字を繋げてAlohaになったという説です。

*Alo…一緒にいる
Oha…幸福
Ha…命の息吹
A…命・生命

*Akahai…思いやり
Lokahi…協調性
‘Olu’olu…喜び
Ha’aha’a…謙虚
Ahonui…忍耐

「魂がそこにある、あなたの魂を感じる」という意味がある下の文の解釈はとても詩的だと感じるのは私だけではないでしょう。

*Alo…~の前に
Ha…息・命・魂

実はこのAlohaという言葉の意味は他にも数多くあり、機会があれば再度コラム執筆に挑戦したいと考えています。

自然が作り出すハワイ語

ハワイ語では全ての言葉に意味があり、魂(mana)が込められていると言われていて海や山、川、その土地の名前も掘り下げると全てにストーリーがあります。

例えばマウイ島の有名な山HaleakalaはHaleは家、Ka laは太陽、つまり1番最初に太陽が昇ってくる家という意味がありますし、Pua(通常花という意味)という言葉は 人々、子供達、Puaの前にOがあれば海辺にプカプカ浮かぶ白い雲と訳され決して<花>という意味だけではないのです。

そこで再びやっかいな事に上の文で海辺で~と書きましたが、これが山にかかる雲や土地が変わると他の呼び名になるのがハワイ語の難しいところなのです。

自然に関係する言葉にはその土地、情景などによって呼び名が変化しますので身近な言葉でいくつか紹介していきます。

匂い・香りに関する言葉

・onaona …オナオナ…やさしい香り(性格が優しい)
・’a’ala …アアラ…芳香、香りのよい(高貴な)
・kupaoa …クパアオア…強い香り
・moani …モアニ…風に運ばれてくる香り

雨に関する言葉

・霧雨…キリフネ(kilihune)、リリノエ(lilinoe)、ノエ(noe)
・にわか雨…ウア・ナーウル(ua nāulu)
・冷たい雨…キリ・ハウ(kili hau)
・大雨…ウア・ロク(ua loku)
・突然の雨…イリラニ(ililani)
・大粒の雨…ウア・へキリ(ua hekili)

雨については島の地区ごと、降る雨ごとに異なる呼び名があり、なんと200以上の雨の呼び名があり「雨」だけの辞書があるほどですが、ここでは有名な3例だけ書いておきます。

・オアフ島マノア地区の雨…トゥアヒネ(tuahine)
・ハワイ語ヒロ地区の雨…カニレフア(kanilehua)
・カウアイ島のハナレイ地区…カウアロク(ka ua loku)

風に関する言葉

・キプウプウ Kīpuʻupuʻu (キープウプウ)…ハワイ島ワイメア地区に吹く冷たい雨風
・アパアパア ʻĀpaʻapaʻa (アーパアパア)…ハワイ島コハラに吹く強風
・カイアウル Kaiāulu (カイアーウル)…オアフ島ワイアナエ地区に吹く風

以上はほんの少しの例で、実際にはもっと多くの呼び名がありフラを学んでいる人はフラソングの中に色々な雨・風・香りに関する言葉が歌詞の中に出てくるので見直してみるのもいいのではないでしょうか。

その結果同じ「風」のモーションでも<強く吹く風>を表現したり、爽やかな<そよ風>を表したりとフラの表現が違ってくるでしょう。

ハワイ語をほんの少し勉強しておくと踊るのが今よりもっと楽しくなると思いますので、ハワイ語の持つ難しさ、美しさ、意味深さにぜひ触れてみて楽しんでください。

Rinko

ポリネシアン諸島の薬草ハーブ

ハワイ・タヒチを始めとするポリネシアン諸島には、昔から現代に伝わる伝統医療「ラアウラパアウ」が存在する。

その土地に生息する植物の実や葉、茎などから抽出した樹液を使用したり その葉を乾燥させ煎じてお茶のように飲んだり、時にはその葉を身体に巻きつけたりして体の不調や精神的な病いをも治し癒していた。

その治療行為や薬草を選別する事ができるのは「Kahuna」という現代でいう医者、薬草医、又は呪術師のような特別な存在の人で一般の人々から尊敬されている人物だけであった。

〈伝統医療〉ハワイではLa’au lapa’au、タヒチではLa’au tahiti
〈医療者〉ハワイではKahuna、タヒチではTahua

現代でも少数ではあるがカフナ、タフナは存在して薬草の調合や治療アドバイスは続けている。
(ハワイ語のkaはタヒチ語のtaと同じで発音が違うだけなので、同じ職種を指す)

今回は古代から伝わるポリネシアン諸島の「薬草医療」の話しをテーマに、薬草ハーブとその効能を解りやすく表にしてみたので参考になればと思う。

 

植物の名前

効能

オレナ(ウコン・ターメリック)

 

カレー料理に使うターメリックといえば分かると思うが、オレナの効力はかなりある。

肝臓病、胃腸病、抗菌、糖尿病などに効く他に防虫剤としても使われている。

ラウカヒ(オオバコ)

主に皮膚炎に特化した薬草で、オリーブオイルやココナッツオイル、蜜蝋などと混ぜ合わした軟膏やエッセンシャルオイルとして出回っていて火傷、切り傷、日焼け、肌荒れ等に効く。

日本ではオオバコ茶として煎じて飲まれている。

ティーリーフ(センネンボク)

フラスカートで知られている植物で、発熱した時に熱を取るのに使用されている。

身体にティーリーフを巻きつけ高い熱を取りさる効力の他、殺菌効果もあるので食料を乗せて皿代わりにもなる。

古代から神聖な魔除けとして大切な日に身に付けると良いと信じられている。

ククイ(キャンドルナッツ)

ククイの実は油分が多いので昔はロウソクの様に使用した。

効能は便秘や下痢などの腸の不調に「イナモナ」と呼ばれる海塩でククイを炒めた物が効く。

切り傷、ビタミンEが豊富なので肌の手入れにも使用されている。

ママキ(イラクサ科の植物)

ハワイでしか生息されていない木で、その葉を乾燥させ日本のお茶のように煎じて飲む。

デトックス効果、抗酸化、コレステロールや血圧の低下など穏やかに効いていく万能茶として最近話題になっている。

ノニ(春ウコンの実)

体内の毒を外に出すといわれ、結核菌を95%消すと言う研究結果も出ている。

感染症、抗酸化、高血圧等さまざまな不調の改善に効く。

ビタミンC・E、ベータカロチンを多く含みジュースにして病の予防に飲まれている。

カヴァ(黒胡椒の一種)

胡椒科の植物で木の根をすり潰して嗜好飲料にして飲む。

薬ではないが、精神の鎮静作用や抗不安作用がある為酒類に加工されたり、昔は儀式の際に使用された。

不眠症や肝臓病にも良い。

グァバ

スーパーフードNo.1のグァバはビタミンC・B・Eを始め多くの栄養素が含まれている。

老化防止、疲労回復、血流を良くする、血糖値を下げる等効能は幅広い。

腹痛にも効く。

表にはないが、マンゴーやパパイヤなどのフルーツにも腸関係(下痢・便秘)の病気予防に良いと言われている。

ポリネシアン達が使用してきた薬草を更に調べると、各効能に「下剤」として使われる植物が案外多くある事に気づくが、それは古代ポリネシアン達が身体や心の不調を「良くない物(者)が体内に入り込んだ」と考え、とにかく排泄をして体の中を綺麗にし、浄化しようと考えたと言う説があるので<なるほど>とうなずける。

薬草植物ではないが、彼らは海水と真水を交互に大量に飲み体内を綺麗にしたというが、この方法は下剤効果が抜群でよく用いられた方法ではあるが、今はほとんど行っていない。

その理由は現代の海水は化学的に汚染されている可能性が大きいので、逆に病気になってしまうからだと言われている。

現代のように未知のウィルスや菌が満映していない時代の古代ポリネシア、自然の中で生活する人々は祖先からの知恵と作法でさまざまな病を克服していったのであろう。

化学薬品が数多く処方される現在ではあるが、西洋医学、東洋医学漢方に合わせて 時には日本でも手に入るポリネシアンハーブを使い自分を癒してみよう。

朝、目覚めに温かいママキティーを煎じて飲んだり、ノニから作ったクリームを肩こりに塗ったりノニジュースを飲むのも良いし、ククイオイルで体をマッサージすればお気に入りの南の島々を思いリラックスできるに違いない。

ポリネシアン諸島の薬草ハーブは、どの植物を選んでも心と体に効く万能薬である。

Rinko

タヒチアンダンスの衣装に魅せられて

ポリネシアンショーの華〈タヒチアンダンス〉、美しい女性達や逞しい男性達が身体全体を使い動き回り、ステージ一杯に繰り広げるタヒチアンダンスは見ている私達を惹きつけて魅了する。

そのパフォーマンスの素晴らしさをより魅力的に演出しているのが彼らが身につけている衣装の美しさだろう。

曲によって振り付けが違うように彼らの衣装も曲ごとに違っている。

今回は素晴らしいタヒチアンダンスを更に美しく見せるのに大きく影響している〈タヒチアンダンスの衣装〉について書きたいと思う。

タヒチアンダンスの種類について

いきなり衣装の話をする前にまずはタヒチアンダンスの種類の説明からしたい。

なぜならばタヒチアンダンスもフラ同様に、曲によって昔から代々受け継がれた衣装が決まっているからだ。

ダンスタイプⅠ ’OTE’A
オテアアムイ  (男女一緒に踊る)
オテアヴァヒネ (女性が踊る)
オテアタネ   (男性が踊る)

ダンスタイプⅡ ‘APARIMA
アパリマヴァヴァ(ウクレレ、他の打楽器で演奏に合わせて踊る)
アパリマヒネメ (歌いながら踊る)

ダンスタイプⅢ PA’O’A
踊り手全員が反円か円になり、男女1組が次々にセンターで踊る

ダンスタイプⅣ
男女分かれて向き合い交互に入れ替わり踊る

タヒチアンダンスの衣装について

グランコスチューム

Le Grand Costume〈TE ‘AHU ‘OLI〉
ダンスタイプ1とタイプⅢで使用される衣装

一般的な素材はモレ(プラウと呼ばれるワイルドハイビスカスの樹皮)、タパ(植物繊維で作られた布)、ニアウ(若いヤシの葉)、貝、羽根などの自然からなる物に限り使用が可能になる。

グランコスチュームはショーの始めやフィナーレのオテアを踊る時に身に付ける衣装で、全身にコーディネイトされているセットのアンサンブル衣装、この衣装を身に着けたダンサーが多勢で踊るオテアは圧巻だ。

*女性用グランコスチューム
TAUPO’O…ヘッドドレス(タヒチアンハット)
‘I’I…両手に持って振りながら踊る
TAPE’ATITI…ブラ(布やタパで作られた物やココナッツで作られたココブラなど)
HEIPARAU…黒蝶貝のネックレス
HEIPUPU…小さな貝で作られたネックレス
HATUA…腰ベルト、タッスル(房)や貝を装飾してあるベルト
MORE…くるぶし丈の腰みの、タヒチアンスカート

*男性用グランコスチューム
女性と違うのはTA’AMURIMAという腕飾りや、TAUMI(胸当て)、TAHEI(タスキ)を付けることがあるのと、MOLE(腰みの)は女性より短めで脛丈か膝丈になり、膝丈の時にはTA’AMU’AVAEという足飾りを付ける時が多い。

自然植物からできている衣装

Le Costume Vegetal〈TE’AHURAU’ERE〉
ダンスタイプⅠ、Ⅱ、Ⅳで使用される衣装

オテアで使用する衣装と同じ物を植物から作っていく。

素材となる植物は生か乾燥させて使用するのが原則で、代表的で主になる植物はアウティ(Tリーフ)、オプヒ(ジンジャー)やティアレの花は衣装の装飾によく使われている。

他には茎を使うカボチャ、スパイダーリリーの葉から根にかけての部分、葉の先が白い部分を使うムセンダなど自然植物を材料にした衣装は多く、ダンサー達は男女共に自分の衣装は自分で作るのが基本となっている。

女性が頭につける冠のようなものは、HEIUP’OOと呼ばれイランイラン、ジャスミン、ミリ(バジルの一種)などの香りの強い花とアウティを編み込んだ物を使いゴージャスに飾るつけているが、男性用の冠はシンプルにアウティだけを編んでヘッドバンドにしている場合が多い。

男性はオテアの時のモレの代わりにアウティで作ったMARO’AUTI(ふんどし)を身につけて踊るのが定番となっている。

パレオとアパリマドレスの衣装

Le Costume en Tissu & Le Robe
ダンスタイプⅢで使用される衣装

*パレオ
無地か花柄、葉の柄、タパ柄などタヒチに存在する植物などの柄がデザインされた布で、男女ともに植物で作られた衣装で(前項参照)腰にパレオを巻き付けて踊る。

男性はMALOと呼ばれる〈ふんどし〉か、TIHEREという方法で腰巻にしてパレオを使用する。

*ドレス
パレオでできた長いドレスを〈アフロア〉といい、優雅でスローな歌を伴うアパリマを踊る際に着るので、スローな手踊り中心のタヒチアンダンス自体をアフロアと呼ぶ事もある。

シンプルなコットンのパレオもあれば、フィブランというしなやかなコットン素材もあるので、曲やショーの流れによってダンスの動きを楽しめる。

最近ではデザインも色々でまるでイブニングドレスのような衣装もあり、柄のない白い無地や大きな花柄模様のドレスが多いし沢山のフリルを使った物もある。

タヒチアンダンスの衣装についてのまとめ

ポリネシアンショーの華、タヒチアンダンスの衣装を紹介してきたけれど、どの衣装も昔から代々教えられ伝えられてきた作り方や決め事がある。

その古風な流れの中で、観光客に見せる為に洗練され鮮やかに生まれ変わったデザインもあるだろうが、タヒチアンダンスをただの「腰振りダンス」などと決して言わせない誇り高きタヒチアン達の想いが垣間見える衣装のセンスの良さと華麗さ、そしてタヒチアンダンスそのものの芸術性の高さを心に留め置いて、チャンスがあれば彼らのショーを見てほしい。

きっとダンスの素晴らしさと同じくらいダンサー達が身につけている素敵な衣装に魅せられるに違いない。

Rinko

Ho’oponoponoハワイに伝わる毎日を生きる為の教え

日々の生活の中でふと「こんな筈ではなかった」とか「なぜ自分だけが…」などと、負のエネルギーに振り回される時がある。

そんな時あなたはどうやって自分の気持ちを前向きに持っていくのだろう?
友人に話を聞いてもらう、年上の人からのアドバイス、ひたすら運の流れが変化して行くのを待つ…などなど人それぞれの解決法があるが、今回はハワイの人が昔から実践しているHo’oponopono(ホオポノポノ)という〈生き方バイブル〉のようなお話しを紹介しようと思う。

実はこのHo’oponoponoは解説する人によってかなり難易度の高いものではあるけれど、思い切り簡単に誰にでも分かりやすく説明できたらと思いながら書いた。

古代Ho’oponoponoについて

ハワイ語のHo’oponoponoは「修正する」という意味があり、古代ハワイアンの儀式である。

昔から家族愛の深いハワイアンは親族内で何か問題(病気・怪我・不運などマイナスな出来事)が起きると血縁者全員が集まり夜通し話し合い、解決策を模索するというひとつの儀式であった。

儀式は時には数週間も続く事もあったというが、ほとんどの場合は夜明け前には終わった。

嫌な出来事は翌朝に持ち越さないという明るいハワイ人の特長が現れているエピソードだ。

この儀式には約束事があり、「家族・親族全員が参加する」「話し合いの内容は決して口外しない」「正直に包み隠さず」「心から望んで許しを乞う」などお互いの絆を深め、信頼し合い、お互いの心身が共に良くなるように行われた。

儀式を取り仕切るのは、家族・部族の年長者やKahuna(カフナ)と呼ばれる特別な地位の霊能者で、儀式の始まりはそれぞれの家族の祖先(Aumakua)に捧げる祈りからであった。

古代ハワイアンの人々は何か不運な事が起こると、祖先との関係が良くないのではと考えていつも謙虚に祖先の教えに耳を傾け祈る事で先祖の魂と会話をした。

今を生きる自分と祖先達との関係は絶対的なもので、常に先祖に許しを乞い、感謝しながら生きていたと考えられる。

現代Ho’oponoponoの基本的な考え方

古代儀式としてのHo’oponoponoは現代に引き継がれてはいるが、多様な研究者や思想家達によって多少伝え方に変化が見られる。

最初に書いたようにかなり複雑で難しい解釈もあるけれど、ここではシンプルに考えていきたい。

コンセプトは「この世で1番大切なのは自分、次に親や親族、その他の人の事は後で考えれば良い」というもので、随分乱暴な思想だと思うかもしれないが、Ho’oponoponoでは自分を愛せない者は人を愛す事はできないという考えが基本になっている。

自分を取り巻く全ての人、物、出来事は自分自身の内なる現れだという。

更にHo’oponoponoではこの宇宙に存在するのは、「記憶の再生」と「インスピレーション」だけでこの二つが私達の毎日の出来事を作っていると教えている。

「記憶の再生」イコール潜在意識〈Unihiwili〉
「天からのインスピレーション」は神聖なる存在〈Divinity〉からのインスピレーション

この「記憶の再生」こそが不安や不調・不幸を作り出し過去の記憶が自分の運を左右して、天からの「インスピレーション」を受けるのを妨げているので常に過去から続き膨大に膨らむ記憶を消し続けなければならない。
(ここでいう天こそが古代ハワイアンの教えにある先祖達の住む場所 Divinity)

その膨大な記憶を消去する事を「クリーニング」と呼び、毎日「クリーニング」を繰り返す事で自分の人生を明るく幸福に導いていき、天(ご先祖様)からの「インスピレーション」を受けやすくするというのがHo’oponoponoの基本的な考えだ。

自分自身がハッピーに生きていられればおのずと周りの人々も幸せにするプラスの連鎖が繋がっていくという進歩的でユニークな考え方の基礎を古代ハワイアン達は遠い昔からすでに持っていた事に驚く。

クリーニングの種類と説明

私達の生活のマイナス部分を作るのは過去からの積り積もった記憶がなせる災いで、実際にその潜在意識(Unihiwili)がなければ悪い事は起こらない。

これ以上の不幸な出来事や嫌な事が起きないようにいつもクリーニングをして負の記憶を消さなくてはいけないというHo’oponoponoの教えに基づきいくつかのクリーニング方法を説明する。

魔法の4つの言葉

愛しています
ごめんなさい
許してください
ありがとう
*毎日何回でも自分のUnihiwili に対して言葉にする。

不思議な言葉 アイスブルー

透き通った氷の色アイスブルーをイメージしながら「アイスブルー」と言葉にする。
植物を触りながら言葉にすることより痛み(病気・怪我の痛み、他にも心の痛みや悩みも含む)に関する記憶のクリーニングに役立つといわれている。

Ha-呼吸

両手の親指と人差し指で輪を作り、7つ数えながら息を吸い、7つ数えて息を止め、又7つ数えながら息を吐く✖️7回繰り返す。
心がザワザワ落ち着かない時に実践すると効果的だし、毎朝の習慣にすれば心身共に常に冷静な判断と平和を得られる。

X(エックス)のイメージ

実際に気になる事・物・人に対して「バツ✖️」をイメージしてトラウマになってなっている感情を元の時間の感情に戻していく。
口出して「バツ」と発しても良い。

ブルーソーラーウォーター

青いガラス瓶に水を入れて太陽の下に30~60分置くだけ。
その水を飲んだり、料理に使用したり、風呂に数滴垂らしたり用途はいくらでもあり、心が浄化される。

どれもシンプルな事ばかりで簡単にできる気がするが、これを毎日何回も繰り返すのは案外根気がいるし、
現代社会に生きる私達には他にやらねばならない事が多くて続けにくいとは思う。

いきなり全てを実践しようと思わずに、やり易い事をひとつでも行えばあなたのUnihiwili のクリーニングになるので興味のある方はやってみるといいのではないだろうか。

全ては自分の意識の問題なので特に気になる方法だけを行っても構わないと思う。

以上の方法で自分の潜在意識に次々と溜まっていく記憶を消去して、仏教での「無」の状態を作れば天からのインスピレーションを受け取りやすくなり、前向きに明るく生きていけるという考え方がHo’oponoponoだと理解できる。

まとめ

古代ハワイアンから伝わる現代を生きる私達へのメッセージHo’oponopono、「こんな考え方もあるんだなあ」と流すも良し、「ちょっともう少し勉強してみようかな」でもいい。

新年を迎えるこの時期にあなた自身のUnihiwiliを見つめ直し、Aumakuaとの対話を試みれば、これからの幸せな時間へと繋がる道しるべになるかもしれないのでぜひお試しを!

Rinko

参考資料   イハレアカラ・ヒューエン氏著「心が楽になるホオポノポノの教え」

Te Tiare

フランス領ポリネシア<タヒチ>の島花を「ティアレ」という。

ティアレは白を基本とした可憐な花で、花弁は6〜8枚あり日本の「くちなし」の花に良く似た甘い香りが多くの人々を虜にしているが、花びらが8枚あるのはとても珍しく<四葉のクローバー>を探すようだという。

タヒチアン達はこの花をこよなく愛し、老若男女誰もが髪に飾ったりHei(ハワイではLei)にして、特別な日はもちろん普段の日々の中で身につけてTiareそのものを、タヒチ国家とタヒチアン達の誇りにしている。

ティアレはタヒチの人々の生活に深く組みこまれたタヒチアンにとって無くてはならない特別な花。

花びらが6枚の一般的なティアレ
花びらが6枚の一般的なティアレ

見つけると幸せになるという8枚花弁のティアレ
見つけると幸せになるという8枚花弁のティアレ

美しいオレンジ色の8枚花弁のティアレ、他に黄色やピンクもある
美しいオレンジ色の8枚花弁のティアレ、他に黄色やピンクもある

*Te TiareのTeは冠詞

愛の花 香りの花Te Teiare

ティアレの花言葉は「幸せすぎて怖い」「愛しています」「誠実な愛」などLoveな言葉が多く綴られているように、恋人達や愛しあう夫婦、親子などなどが部屋に飾ってお互いの愛を分けあい、ブーケやレイにして贈りあったりする特別な花である。

他にもタヒチアン達のステータスであるOri Tahiti(タヒチアンダンス)を踊る時には欠かせない花で、レッスン時はもちろんコンテスト出場の時、Heivaと呼ばれるお祭りの際も髪に胸に腰にティアレを飾りダンスを楽しむ。

観光地タヒチを訪れるハネムーンの観光客の為に、ベッドサイドにティアレの花をアレンジして飾りつけ歓迎の気持ちを表すホテルもある。

又、その香りが甘美ゆえに多くの人達が心を奪われている。

タヒチをこよなく愛した画家ゴーギャンもNoa noaと名付けられた自身のタヒチ滞在記に「ティアレの香りを嗅いだ者は必ずこの島に戻ってくる」と書き残し、ティアレの香りにかけてタヒチの魅力を伝えている。

*Noa noaとはタヒチ語で「かぐわしき香り」という意味

タヒチアン達は昔からの製法で甘い香りのティアレの花びらを使い、ココナッツオイルに漬け込み<モノオイル>という精油を作り強い日差しや海水から髪やボディを保護して身体を清潔に保っているし、タヒチアンダンサーがステージに立つ際にも<モノオイル>を髪から足の先までたっぷりと塗って、激しいダンスで流れる汗を爽やかにライトに光らせて観客の目を釘付けにする。

遠い昔、西洋人が島を発見してタヒチに立ち寄った時、初めて見る島民達の清潔に保たれた甘い香りのするボディに異国の人達が魅了されたという逸話も残っている。

ティアレの香りは今も遠い昔も島人のみならず、タヒチを訪れる全ての人の心を掴み離れない。

ゴーギャンでなくても1度でもタヒチを訪れた事がある人は、その甘い香りと共に楽しく過ごした日々を思い出すだろう。

Te Tiareの伝説

ポリネシアン諸島にはそれぞれの島に伝わる多くの伝説があるが、タヒチにもそれがあり文字を持たなかったタヒチアン達は遥か昔より祖先からの口承で人々の生き方や、村や民族のルーツを伝えられ現在に引き継がれている。

どのポリネシアン諸島でも共通するのが「森羅万象全ての生き物にmanaが宿る」という考えであり、島の花として人々に愛されているティアレの花にもいくつかの伝説が残る。

*mana 精霊 スピリッツ

伝説には諸説あるので、この話が真実!というのは不明だが、どの話も悲しく美しく、勇敢であり教えがあるのでチャンスがあればタヒチに伝わる伝説も読んでみると面白いし、タヒチが少し分かってくるかもしれない。

<創造の花ティアレの伝説>

ティアレは、「美の神であるタネ」と「創造の海の神アテア」によって作られた創造の花であった。

その昔、創造物でありながらその美しさと甘美な香りに惹かれた神々達はティアレを自分の物にしようと常に争いが絶えなかったという。

その噂を耳にした「最高神タアロア」はタネとアテアを呼び、ティアレを見せるように命じた。

アテアの掌の中で美しく儚く置かれたティアレの姿を見てタアロアは深く感激し、この小さな白い創造物をこのままにはしておけないと考え、創造物であるティアレを植物としてかの国(地球)で生涯安全に過ごさせようと決めた。

タアロアはティアレの育成と生涯をタネとアテアに託し、ティアレを地球上で1番美しく気高く誰からも守られ愛される「花」としての命を授けたという。

ティアレはその時から単なる創造の花ではなく、植物の花としてしかもどの植物よりも高い地位で人々から愛される花として生まれ変わり、現在もその美しさを人々に見せ魅了させて生き続けている。

ティアレを摘むときには、必ずタアロアの許可を得てからという言い伝えがタヒチアン達の間には今も残る。

永遠の楽園に咲き続けるTe Tiare

タヒチアンダンスを習っている人は良く知っていると思うが、タヒチアンダンスのAparimaやAfuroaの歌詞には多くのティアレを歌った曲があり、どの曲も優しく綺麗なメロディでダンサー達が白を使ったパレオをセクシーに腰に巻いて踊る姿は印象的だ。

歌詞にはタヒチのティアレを尊く美しい女性に例えたり、島のティアレを摘んで恋人に捧げたりと平和な内容が多い。

それも愛の花と呼ばれるTiareゆえだろう。

髪にティアレの花をピックで挿したり、冠(Hei upo’o)にしたりと精一杯飾り付けて踊るタヒチの女性はティアレに負けず本当に美しい。

Te ramaite te tiare
Te tiare no Tahiti
Te tiare

ティアレそのものを歌にしたものに加え、各島々をテーマにした曲にも必ずティアレが歌われていてティアレの曲は実に多い。

タヒチアンの暮らしに欠かせないティアレは生活の一部であり、まさしく楽園に咲き続けるタヒチの花と言えるだろう。

*Aparima 歌の入ったテンポの速い曲
*Afuroa ゆったりとした歌入りのワルツの曲

Rinko

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