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フラダンスには、現代のフラダンスと呼ばれる「アウアナ」と古典のフラダンスと呼ばれる「カヒコ」の2種類がありますが、一般の人がフラと聞いてイメージするのは、「アウアナ」のほうかもしれません。きれいなムームーを着て、愛情や自然への感謝を謳ったスローなテンポの曲を用いて、優雅でゆっくりと踊ることが多いので、一見すると楽に踊っているように見えるかもしれませんね。

しかし、この「アウアナ」は、その見た目に反して、全身の筋肉を使って踊っています。古典フラダンスであり、神さまに捧げる踊りである「カヒコ」でも、それは変わりません。リズムが早い・遅いに関わらず、背筋を伸ばしてゆっくりじわじわと動くことで、日ごろ使わない全身の筋肉が使われ、姿勢がよくなってきます。ここでは、フラダンスで使う筋肉やフラダンスのための身体づくりについて、わかりやすく説明していきましょう。

フラダンスって意外とハードなスポーツ?

「ゆったりとした動きだから、運動が苦手でも大丈夫」とフラダンスを始めてみて、「あれ、これはちょっとイメージと違う」と思ったという人も多いようです。しかし、フラダンスは意外と筋肉を使うダンスなのです。実際に練習してみて、太ももの筋肉がパンパンになってしまったという人も少なくありません。「ゆったりと気軽に」というイメージは一転、意外とハードなスポーツのように思えてくるのです。

フラダンスの基本姿勢は、背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、腰骨の少し上の位置に両手を置きます。横から見て、頭と肩、ひじ、かかとが一直線になるように気をつけながらひざを軽く曲げ、腰を真下に落とす……つまり、姿勢のよい中腰の状態です。この基本姿勢が、すべてのステップの始まりになります。この基本姿勢をキープするだけでも、慣れていない人の筋肉は悲鳴をあげ始めるかもしれません。

さらに、フラダンスの最中は、腰を振り続けます。また、「腰を低く保ったまま両手を上げて水平にし、片足だけで立つ」といったポーズも多く、まるで空気椅子のよう。この姿勢をとることで、インナーマッスルがフルで働き続けます。こうした基本の姿勢やステップだけでも、足やおしり、腰といった全身の筋肉を使い続けるため、10分も踊れば汗だくになってしまうというわけです。

フラダンスの優雅な動きのために

フラダンスの基本は、上半身を上下に揺らさないというところにあります。足でステップを踏みつつ、上半身を上下にしないというのは、とても大変なこと。なぜなら、ひざで上下の動きを吸収しつつ、その姿勢を保つことになるからです。その間も、手は大きく動いています。さらに、視線は手の先を見ながら左右上下に動き続けます。

視線が動くと身体の軸もぶれがちになりますが、フラダンスではそれが許されていません。視線を動かせつつ、身体の軸を保つ……そうした動きを可能にするのは、背筋が鍛えられているからです。その他の動作でも、全身さまざまな筋肉が上手に使われて、フラダンスの優雅な動きにつながっているのです。

全身の筋肉をバランスよく鍛えること

全身の筋肉をバランスよく鍛えること

「フラダンスのためにどんな筋肉を鍛えておく必要があるのか」と疑問に思われる方も多いでしょう。実は、フラダンスを踊るうえでどの筋肉が大事で、どの筋肉はそうでもないといった区別をつけることはできないのです。フラダンスを踊るためには、全身の筋肉を使います。全身の筋肉をバランスよく鍛えてこそ、フラダンスのあの動きが可能になるわけです。そのため、筋トレで全身をガチガチに固めてしまうというのはおすすめできません。なぜなら、固い身体はフラダンス向きではないからです。

フラダンスを踊るための筋肉をバランスよくつければ、柔軟性とパワーを得ることができます。プロアスリートの質の良い筋肉が柔らかいといわれますが、こうした柔らかい筋肉は、必要なときに十分に力を発揮することができます。フラダンスで必要とされているのは、こうした柔らかい筋肉。余計な力が入らず、柔軟性を持つ筋肉を必要なときに使えるというのが大事なのです。

全身の筋肉を柔軟性のある良質なものに鍛えあげ、なおかつそのバランスを整えていくためには、フラダンスを踊るときだけでなく、それ以外の時間にどのように筋肉を使うかがポイントになります。

日ごろから自分の身体を感じていくこと

普段どのように筋肉を使うかというのは、「日ごろから自分の身体を感じ、自分で調整できるか」ということです。背中が硬く感じたら、背中を意識して動かしたり、お腹に力を入れづらかったら、腹筋を少し刺激したりするといった具合に、自分の身体をメンテナンスしていきます。これは、フラダンスの練習がある日だけでなく、毎日意識しておきましょう。

さらに、大事なのがフラダンスの練習のあと。フラダンスで使わない筋肉を使って、全身の筋肉をリセットしていくことです。こうして身体の筋肉を意識していくことで、表現力豊かにフラを踊るための身体ができあがっていくのです。

まとめ

フラダンスでは、手踊りとステップで物語を表現していきます。フラダンスを踊るためには、音楽に合わせて、表現力豊かに身体を動かす筋肉が必要不可欠です。日ごろから全身の筋肉を柔らかく、バランスよく鍛えることで、フラダンスならではのしなやかな女性らしい動きが可能になります。フラダンスであなた自身の物語を表現するためにも、まずは自分自身の身体を感じ、全身の筋肉をバランスよく鍛えていくことから始めてみましょう。

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